ハルをさがして

2012年夏。
都内で暮らす中学3年生のノボルと仲間達は、冴えない学校生活を送っている。
そんなノボルは思いを寄せる同じクラスのチエコからある依頼を受ける。
それは、震災後に「福島に残してきた愛犬ハルを一緒に探してほしい」と頼まれてしまう。
ノボル達は淡い期待を胸にチエコとの同⾏を決め、4人は福島へと向かう。

石岡タロー もう一度会うため

1964年。茨城県石岡市の東小学校で1匹の犬が保護される。
“タロー”と名づけられた犬は、生徒たちに世話をされ小学校の人気者に。
しかし、ある日からタローは飼い主にもう一度会うために、小学校から石岡駅までの2キロの道のりを往復する日課を始めるようになる。

レディ加賀

加賀温泉にある老舗旅館「ひぐち」の一人娘・樋口由香。
小学生の時に見たタップダンスに憧れ、ダンサーを目指して上京するものの夢破れ、帰郷した由香は実家で女将修行を始める。
そんな中、加賀温泉を盛り上げるためのプロジェクトが発足する。
由香は新米女将たちを集めて、タップダンスのイベントを開催することになるが……。

翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~

東京に虐げられていた埼玉県人は、麻実麗率いる埼玉解放戦線の活躍により、自由と平和を手に入れた。
麗は日本埼玉化計画をさらに推し進めるべく、越谷に海を作る計画を立てる。
美しい砂を求めて和歌山へ向かった彼は、関西にもひどい地域格差や通行手形制度が存在しているのを目の当たりにする。

この世界の片隅に

どこにでもある毎日のくらし。昭和20年、広島・呉。わたしはここで生きている。
昭和19(1944)年、広島。絵を描くことが好きな18歳のすずは、20キロ離れた町・呉に嫁ぐ。
戦争によって様々なものが欠乏する中で、彼女の日常、身近なものが次々と失われていく。
それでも、前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが……。

にしきたショパン

幼なじみの凜子と鍵太郎はともに達磨先生とよばれる高校音楽教師のもとでピアノを学んでいた。
努力を惜しまない凜子と才能溢れる鍵太郎は、それぞれ目標や夢を抱いていた。
しかしそんな彼らの身に、「阪神淡路大震災」そして「局所性ジストニア」という2つの大きな試練が襲いかかる。
葛藤し苦悩しながらも二人は「魂に響く音」を追い求めていく。

フラ・フラダンス

福島県いわき市に暮らす女子高校生・夏凪日羽は、卒業後の進路に悩む。
ある日、姉が勤めていた「スパリゾートハワイアンズ」のポスターを目にして、フラガールの新人採用試験に応募する。
見事に合格した彼女は、一緒に採用された4人の女と共に、フラガールの道を歩み始める。
しかし彼女はダンス未経験なうえ、個性豊かな他の4人もそれぞれ気持ちがバラバラで、なかなか足並みが揃わなかった。
先輩フラガールたちの悩みや葛藤、ステージでの失敗を乗り越え、仲間との絆を深め、
フラを通して自分自身の輝きを見つけていく少女たちの青春を描いた、感動的な物語。

神在月のこども

母を亡くし、走ることが好きだった少女カンナは、走ることを避けてしまう。
ある時、マラソン大会でも思うように走れず父が慰めるが、逆にむかついてしまいその場から逃げるように近くの牛島神社に駆け込む。
その場で母の形見に触れた彼女の前に、神の使いだという白兎のシロが現れる。
そしてカノンは、韋駄天の末裔だった母に代わり、八百万の神々が集う神在月の出雲に全国の馳走を届けてほしいと頼まれる。
出雲に行けば母に会えるかもしれないという白兎の言葉を信じて、カノンは出雲を目指す。